収納計画・動線・使う頻度別の配置ミスで「片付かない家」になった話
リフォームの打ち合わせで、私は何度も言いました。
「とにかく収納を増やしたいです。家が散らかるのは収納が足りないからだと思うので」
そして実際、収納は増えました。パントリーも作ったし、リビング収納も増設。洗面所も引き出しタイプにして、玄関もシューズクロークっぽく整えた。図面を見たときは「これでスッキリ暮らせる」と確信していました。
……なのに、住み始めてしばらくすると、なぜか散らかる。
床に置きっぱなしの物が減らない。
「一時置き」が増える。
使った物が戻らない。
収納を増やしたのに片付かない。この矛盾に、私はしばらく悩みました。結論から言うと、原因は“収納量”ではなく、収納計画と動線、そして使う頻度別の配置でした。収納は増えたのに、使い方が増えていなかった。今日はその反省を踏まえて、「なぜ散らかるのか」「どう直すのか」を整理します。
1. 収納は増えた。でも“戻す場所”が増えていなかった(収納計画の穴)
収納を増やすとき、私は「入れる箱」を増やすことに意識が向いていました。でも実際に必要なのは、箱の数よりも 物の住所(定位置) でした。
新しい収納ができると、とりあえず物を入れます。ところが、
- どこに何を入れるか決めていない
- 家族が分かるルールになっていない
- 片付けのゴール(ここに戻す)が共有されていない
こうなると、収納は“空間”ではなく“ブラックボックス”になります。
結果どうなるか。
探す→見つからない→買い足す→さらに増える。
そして、よく使う物ほど外に出たままになる。
私がやらかした典型例は、文房具です。リビング収納に「まとめて入れた」だけで、ハサミ・テープ・電池・印鑑の置き場が曖昧。必要なときに見つからず、別の場所に仮置き→そのまま散らかる、を繰り返しました。
教訓:収納計画は「物の住所」を先に決める
- 収納を作る前に、持ち物をカテゴリー分けする
- 「毎日使う」「週1」「月1」「季節物」を分ける
- それぞれの定位置を“家族が分かる言葉”で決める
これをやるだけで、収納の効きが変わります。
2. 動線と収納がズレていると、片付けは絶対に続かない(動線ミス)
収納計画の次に大きかったのが、動線とのズレです。片付けは「気合」では続きません。人は、行動のついでに片付けられるときだけ片付けます。ついでにできない収納は、最初は頑張れても、必ず崩れます。
私の家で失敗したのは、次の3つでした。
(1) 帰宅動線に“受け皿”がなかった
玄関に収納はある。でも、帰宅してすぐに置きたい物(鍵、郵便、バッグ、上着)が“いったん置ける場所”になっていなかった。
結果、ダイニングテーブルが受け皿になりました。
テーブルは毎日リセットするのが理想ですが、忙しい日ほど難しい。散らかりの出発点になりました。
改善策:
- 玄関〜リビングの途中に「一時置きゾーン」を作る
- 例:壁付け棚+フック+小箱(鍵・印鑑)
- 郵便は「処理前」「保管」「捨てる」を分けるトレーを置く
(2) 掃除の動線が悪くて“出しっぱなし”が増えた
掃除機やワイパーを取りに行くのが面倒だと、出しっぱなしになります。
私は掃除道具を収納の奥にしまいすぎて、使う頻度と収納場所が合いませんでした。
改善策:
- 掃除道具は「使う場所の近く」に分散収納する
- リビング用、洗面用、玄関用で最小セットを作る
(3) キッチンの“作業→片付け”が遠かった
キッチンは収納を増やしたのに、ゴミ袋やラップ、保存容器が“取りたい場所”に無い。少し遠いだけで、料理中は戻せなくなります。
結果、作業台の上が常に物だらけに。
改善策:
- 料理中に使う物は「腰の高さ〜一歩以内」に置く
- 取り出しやすさ優先で、見た目は二の次でOK
3. 「使う頻度別の配置」を間違えると、収納は“物置き”になる
収納が散らかる最大の原因は、収納の奥行きではなく、配置ルールのミスでした。私は「見た目をスッキリさせたい」気持ちが強くて、よく使う物を奥にしまい、見せたくない物を手前に置いてしまったんです。完全に逆でした。
よくある配置ミス
- 毎日使う物が高い棚にある(取りにくい→戻さない)
- 重い物が上段(危ない&面倒で出しっぱなし)
- 季節物が一等地(必要な時期以外、邪魔)
- 家族別になっていない(誰の物か不明→戻らない)
特に「毎日使う物」は、出し入れのストレスが1割でもあると、出しっぱなしが増えます。片付けは努力ではなく設計です。
改善の基本ルール(めちゃ効きました)
- 毎日使う:目線〜腰の高さ(ゴールデンゾーン)
- 週1:しゃがめば届く範囲(下段)
- 月1:上段(軽い物)
- 季節物:最奥・天袋・別室
- 重い物:下段
- 子どもが使う:子どもの手が届く高さ
このルールに沿って入れ替えただけで、「戻す」がかなり自然になりました。
4. 収納を増やすほど散らかる人がやりがちな“3つのクセ”
これは完全に私のクセでした。
(1) 「とりあえず入れる」
とりあえず入れると、二度と整いません。収納は一回“棚卸し”が必要。
(2) 「空いたところに入れる」
空きスペースに入れると、カテゴリが崩れて探せなくなります。
“空き”は余白として残す方が、散らかりにくい。
(3) 「収納を増やしたから捨てなくていい」
収納を増やすと、捨てない言い訳が増えます。
でも物量が多いほど、管理が難しくなるのは当然。
収納が増えたら、むしろ “今が整理のチャンス” でした。
5. 私がやり直して効果があった「収納の再設計」手順
散らかりを直すために、私は収納を“作り直す”のではなく、“使い方”を作り直しました。効果があった手順はこれです。
- 散らかる場所を3つだけ決めて観察
例:ダイニングテーブル、洗面台、玄関 - そこに集まる物を全部書き出す
鍵、郵便、薬、充電器…みたいに - その物の「置かれる理由」を考える
近い、面倒、定位置がない - “1歩以内”に定位置を作る
フック、トレー、引き出しなど - 2週間だけ運用して微調整
続かなければ場所が悪い(人が悪いんじゃない)
このやり方だと、家全体を一気に片付けなくても改善できます。
まとめ:収納量より「住所×動線×頻度」で片付く家になる
収納を増やしたのに散らかった理由は、収納が足りなかったからではありませんでした。
- 物の住所(定位置)が決まっていない
- 動線と収納がズレている
- 使う頻度別の配置が逆になっている
この3つが重なると、収納が増えても散らかります。
逆に言えば、収納を増やす前に、
「どこで使う物か」→「どの頻度か」→「戻す場所は1歩以内か」
を決めれば、収納は“増やさなくても”片付くことが多いです。
もし今「収納を増やしたのに散らかる…」と悩んでいるなら、収納を追加する前に、散らかりやすい場所から“住所と動線”を見直してみてください。片付けは根性ではなく設計。ここが変わると、暮らしが本当にラクになります。
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